世利を連れて、母親は二階に行った。


沈黙が続いている…


里美が


「祐輝さんて、晴香のこと愛してます?」


と切り出した。


一瞬くもった祐輝の顔を誰もが見ていた。


「愛してるから、一緒にいるんじゃないの?」


「女として愛してます?」


「そりゃ妻だもの…女として見ているよ」


「祐輝…あたしが世利から目を離してケガさせたのは、本当に悪いと思っているの…でも、それは、世利に申し訳ないと思う気持ちであって、祐輝にではないの…だけど、祐輝はあたしにケガさせて、一番困って可哀想なのは、世利だと思っていない?多分、祐輝とあたしの違いはそこ…」


「そんなふうになんか思ってない…晴香にケガさせてしまって、申し訳なかったって思っているよ」