しばらくして車の止まる音がした。


「祐輝さん来たね~憲吾帰るなら今だよ~」


憲吾が帰らないことを母はわかっていて、笑いながら言ってみた。


世利が泣いて入ってきた。


晴香の顔を見るなり、笑顔になって、傍に来る…


世利を見て、思わず涙が出た。


ひたいのコブはひいていたが、やっぱり紫色になっている。


祐輝は部屋に入るなり、正座をして頭を下げた。


「昨日は本当にすみませんでした。お母さん、すみません」


「祐輝さん、謝るのは私達が先じゃないよ。痛い思いしたのは晴香だからね~違うかい?私は夫婦の関係に口出しする気はないよ。でも、暴力はいけないと思うの」


「はい…」


「後は何にも言わないよ。晴香の友達も来てくれてるし、晴香の気持ちも聞いてあげてくれないかい」


「わかりました」