車まで憲吾は支えるように、晴香を気づかった。


「晴香、これ痛み止め。痛かったら、眠くなるけど飲みなさいって。水買ってきたから、飲みな~」


薬を出すと、水を差出し飲ませた。


「安定剤もくれたけど、飲んでみる?」


「大丈夫…ごめんね…本当に迷惑かけてごめんね…」


「謝らなくていいよ。むしろ俺は、晴香が一番に頼ってくれて、嬉しいんだから」


車が走り出す。


何も聞かないでいてくれる憲吾に、何か言わなければ…と思いながら、言葉にならない…


「寒くないかい?落ち着いたら、少し話してごらん。俺も里美もいるから。安心してなっ」


指の痛みは強かったけど、憲吾が一緒にいてくれることで、気持ちは少しずつ落ち着いてきていた。