「世利がケガしたって聞いてて…帰って世利のひたい見たら頭にきて…」


「世利ちゃんケガ?どうしたの?」


「転んでぶつけて、病院行ったみたいなんだけど…」


「それを晴香のせいにして、突き飛ばしたわけ?今一番転びやすい時期だってこと、祐輝さんだってわかっているはずでしょう。晴香怒るのおかしくない?」


中から晴香が顔色悪く、グルグルまきに包帯をされた指を痛々しく、胸の辺りに左手て支えながら出てきた。


「里美ありがとう…もういいの。大丈夫だから、今は祐輝の顔見ていたくないの…ごめん帰って。世利大変だったら母親に今電話するから…」


「ごめんな。晴香…悪かったよ」


「祐輝さん、私が今晩晴香預かるから…あたしの彼氏…憲吾もいてくれるし、今帰すの無理だから」


「わかった…世利のことは心配しないで。明日、俺会社休むから…落ち着いたら電話して。迎えに行く…」


そう言うと、ママを見て行きたがる世利を連れて、祐輝は出て行った。