ガチャッ


鍵の開く音がする。


祐輝は独身時代のクセからか、自分で鍵を開けて家に入ってくる。


鍵の音を聞くと、嫌な緊張感が晴香を襲う。


「お帰りなさい。昨日はごめんね」


「ただいま…体調はどうなの」


「大分良くなった~きっと疲れが出たんだと思う…今日も早く休むね」


「世利は?」


「帰ってきてから、疲れて寝ちゃってるの。遊び疲れたみたい…」


「晴香~風呂湧いてる?たまには一緒に入ろうか~」


背筋がゾクゾクっとした。


優しく声をかける夫にも違和感はあったが、風呂に一緒になんて、出産してから一度もなかった。


「世利起きても困るし…あたし後で入るから…ゆっくり入ってきて~」


祐輝は晴香の言葉は耳に入っていない。


晴香の腕をつかんで荒々しく唇を重ねると、落ち着きなく服の下に手を入れて、晴香の体を確かめるように触っている…


抵抗したけど、祐輝の力にはかなわなかった。