微かに聞こえていた音が、完全に消えていったかのようだった。心臓が止まった訳でもないし、かと言って、思ったより速くもない。むしろ、いつもよりゆっくり脈打っている、と思う。
「あ、やば」
半開きのドアを強引に開けると、顔を覗かせた女の子の髪がさらりと揺れた。ナチュラルブラウンの、長くて綺麗な髪。
その人がさっき亞未が着ていたのと同じ制服を着ている事に気が付くまで、少し時間がかかった。
眼を、逸らさなきゃならなかった。
だけどどうしても動かない。
頭の中はこんなにも冷静なのに。
「お、邪魔しましたぁ……」
ドアを閉めようとする細い手が、躊躇いを見せる。障害物があったからだ。
女の子は下がっていた視線を上げた。
「良平? どうしたの?」
「みや、び……」
見慣れた制服だった。
あたし達とは違う、灰色のズボン。
聞き慣れた声だった。
少し鼻の掛かった、低い声。
たった3か月聞かなかっただけなのに、もう、こんなにも懐かしいものになってしまうなんて。
「あ、やば」
半開きのドアを強引に開けると、顔を覗かせた女の子の髪がさらりと揺れた。ナチュラルブラウンの、長くて綺麗な髪。
その人がさっき亞未が着ていたのと同じ制服を着ている事に気が付くまで、少し時間がかかった。
眼を、逸らさなきゃならなかった。
だけどどうしても動かない。
頭の中はこんなにも冷静なのに。
「お、邪魔しましたぁ……」
ドアを閉めようとする細い手が、躊躇いを見せる。障害物があったからだ。
女の子は下がっていた視線を上げた。
「良平? どうしたの?」
「みや、び……」
見慣れた制服だった。
あたし達とは違う、灰色のズボン。
聞き慣れた声だった。
少し鼻の掛かった、低い声。
たった3か月聞かなかっただけなのに、もう、こんなにも懐かしいものになってしまうなんて。


