洋君は、結局悠成君と文化祭を回った事や、賞を取ったクラスの事など、いろいろな話をしてくれた。怒鳴られたのが、嘘みたいに。


洋君といると、思い知らされる。あたしはこんなにも汚れているんだ、って。
約束をすっぽかし、剰え、嘘を吐いた。
この、優しい人に。

自分の事で頭がいっぱいで、自分を守るのに必死で。
洋君を、利用してしまおうとしている。


傷を癒して欲しくて、誰でもいいから、手を差し延べて欲しいの。


この時のあたしは、大切な事をまだ分かっていなかった。
助けを求めて待っている、未熟な子供。


誰か、誰か、誰か、誰か、