「あっ」
 
ごんって、鈍い音が
美桜の声とほぼ同時に
部屋に響いた。
 
「どした?」
 
俺は慌てて
キッチンにいる美桜のところに向かう。
 
 
「落としちゃった」
 
床に転がっているカップを拾おうとする美桜の手をつかむ。
 
「割れてたら危ないから。
美桜はさわらないで」
 
 
俺はしゃがんで
カップを手にとる。
 
 
立ち上がると
 
「あ・・・」
 
美桜の顔が
すぐそこに。
 
 
 
あ、やばいかも。
 
 
大きな目
長いまつげ
赤く染まった頬
つやつやの・・・唇
 
 
かわいすぎる。
かわいすぎて・・・
 
 
スイッチ、入っちゃったかも。
 
 
手・・・
出していいんだよな?