「雪乃ちゃん、眠い?」


「……っ!」



突然覗きこんできた先輩の顔が視界いっぱいに広がって、一気に目が覚める。


そして同時に先輩の腕から抜け出した。



(…寒い!)


一気に冷たい風が体に伝わり、とっさに体を縮こませる。



「…雪乃ちゃん?」



その声に振り向くと、

驚いた顔をした後に、寂しそうな表情をした先輩に見つめられる。



「…だ、だめ…です…」


「何が?」


「先輩、好きな子に見られたら…」