目線を自分の膝へと向け、若干の皮肉を込めて言うと、先輩は楽しそうに笑った。


「だって雪乃ちゃんの膝枕、気持ち良いんだもん」



いつも通りの風景。

いつも通りの時間。

そしていつも通りじゃない、私と先輩の座り方。



(…なんでまた膝枕なんだろ…)



この前膝枕をしてあげてから、先輩はたまにこうして私の膝の上に頭を乗せている。



別に膝枕が嫌なんじゃない。


もともと先輩は私にもたれかかってきたりしていたし、スキンシップの多さはすでに慣れている。



それに今日はいつもより冷えているから、膝に人のぬくもりがあるのは嬉しいことだ。



ただ……



「…先輩は相談をするためにここへ来ているんじゃないんですか?」