「…悪いことしちゃったかな…」
再び誰もいない階段を、そう呟きながら上っていく。
女の子は驚いた表情をすると、泣きそうになりながらも笑顔で去っていった。
「なんで…だろ?」
黒髪に白い肌。
無表情で俺をみた黒い瞳。
その全てが、さっきからずっと消えないんだ。
そんなことを考えていると、いつの間にか着いていた図書室。
ダンボールをカウンターに置くと、俺はさっさと図書室を出た。
消えない、消えない。
顔を思い浮かべると、胸が優しく鳴り響く。
…もう一度、あの子に会いたい。
あの子としゃべってみたい。

