「おまえのそのアホな頭の中に悩みなんて存在するんかいな」


「……」



うん、否定はしない。

だって俺、恭介に比べたら相当バカだし。

たまに下から数えた方が早いでしょうってくらいの成績とるし。


でもさ、悩みに賢さは関係なくない?



少しだけムスッとしながら恭介を見ると、フッと鼻で笑われた。


…ムカつく…。



「で、悩みってなんやねん」



興味津々に聞いてくる恭介。

なんだかんだ言いながら、俺の話はちゃんと聞いてくれるんだよね。



俺は身を起こすと、恭介を真っ直ぐ見ながら言った。




「キス、したいんだよね」