恋愛相談は校舎裏で

「宮崎先輩……」


「…ちゃんと伝えてこなかったら、怒るから」




先輩はそう言うと、昨日貸したハンカチを私に差し出した。


受け取って見ると、きれいにアイロンがかけてある。



「…ありがとうございます」




ハンカチを大事に握りながら頭を下げると、

小さく「頑張りなさいよ」と、照れたような声で、宮崎先輩が言った。



私がしっかりと頷くのを見ると、


先輩は「それじゃあね」と言うと、スタスタと歩いて行く。



私はその背中にもう一度頭を下げると、

宮崎先輩とは逆の方向へ走った。