恋愛相談は校舎裏で

「…これは?」


「…あ……」




宮崎先輩が指差したものは、私の赤い痕のつく手首で。


私が驚いた顔をすると、先輩はもう片方の腕を取り、手首を見た。



両方ともに赤い痕のある手首を見て、宮崎先輩は少し怖い顔で私を見つめる。



「…誰に、何を、されたの?」


「………」



“誰に”と“何を”を強調して言う先輩に黙ってしまう。



そんなの、言えない。

手首のことを説明したら、全てを言わなければならなくなる。


もし、このことがさゆり先輩の耳にでも入ったりしたら、


どうなるか、わかったもんじゃない。