恋愛相談は校舎裏で

夏輝先輩は、真剣な顔で俯く私を覗き込む。


私は先輩と目を合わせないように、フッと顔を逸らした。



「質問はひとつにしてください」


「今のが俺の“話”だよ」


「………」



…これは一体、なんて答えたらいいの。


下手したら、自分の気持ちを言いかねない。



“付き合ってる人がいるのに、

告白なんてできないでしょ?”



「……っ」



そうだ、言ったらダメなんだ。

大切にしたらダメ。


この気持ちは、忘れなきゃ…。