恋愛相談は校舎裏で

「…話を聞いてくれるまでは、絶対に離さないし、逃がさない」


「……先輩と話すことなんて、何もありません」


「俺は、ある」


「………」



無言で先輩を見つめると、チリン、と音を鳴らしながら、

しずくちゃんが私たちの横を通り抜けて行った。


そして校舎裏へ続く角を曲がって行く。



「…しずくが雪乃ちゃんをここまで連れてきてくれたみたいだ」


「………」


しずくちゃんの後を目で追っていると、夏輝先輩が口元に笑みを浮かべながら私を見た。