恋愛相談は校舎裏で

「うー……ん…」



先輩は返事のような声を漏らすと、力なくドスンとベンチの背もたれにもたれかかった。


それにならい、私もベンチに座りなおす。


…さっきよりも、距離をあけて。



「…雪乃ちゃん…?」


夏輝先輩は覚醒し始めたのか、さっきのような寂しいとでもいいたげな目で私を見た。


(…そんな目で見ても、ダメです先輩…)



だって、気づいたらダメだから。


これ以上近づいたら、気づかざるを得ない。


「………」


…違う。


もしかしたら、もう気づいてる。


ただ、それを否定してるだけ。