ことの発端は、下駄箱で私が安西先輩と偶然会ったことから。



掃除当番のせいで教室を出るのが遅くなった私は、

同じく掃除当番だったらしい安西先輩と会い、

校舎裏まで一緒に行くことになった。



「あの、夏輝先輩は?」


「あぁ…夏輝は終礼終わった途端教室飛び出してったわ。はよ校舎裏行きたかったんちゃう?」



安西先輩と夏輝先輩が一緒じゃないのがめずらしくて聞いてみると、


安西先輩は意味深な表情でクスッと笑いながら私を見た。


後に「俺を置いてったことはムカツクけどな」と足しながら。