恋愛相談は校舎裏で

「逸らしちゃダメ」



先輩に真剣な瞳で見つめられて、

せっかく腕から開放されたのに、落ち着くまもなく胸がうるさく鳴り響く。


どうしようもなく恥ずかしくて、顔を逸らしたいのに、

私の両頬を挟んだ先輩の手がそれを許してくれない。


「あ、の……」


「ねぇ、教えて?」


「……っ」



先輩はさらに顔を近づけると、悲しそうに顔を歪めた。

そんな表情でさえ、私の胸は大きく波打つ。