恋愛相談は校舎裏で

「…何も、してないです。先輩は悪くな…」


「じゃあなんで目逸らすの」



ぎゅっと先輩のセーターを握りながら、聞こえるかわからないくらいの声で呟くと、

言い終わる前に先輩の言葉が私の言葉を遮った。



「今までちゃんと、俺の目見てくれてたじゃん。なんで逸らすの?」


「……」



先輩が私を見つめているのが分かる。

でも私は俯いたまま。



だって言えないから。

先輩の顔見たらドキドキするなんて。


自分でも分からないこの気持ちを言えだなんて、できっこない。