「…別に先輩は悪くないです。気にしないでください」



視線を夏輝先輩から逸らしたままそう言って、抹茶オレのストローを吸う。


スコーッと乾いた音が鳴り、すでに飲み干したことを思い出した。


「むぅぅ……」



納得のいかない声を漏らす夏輝先輩を無視して、空になったパックを近くにあったゴミ箱に捨てる。



「安西先輩、ご馳走様でした」


「んー、どういたしまして」



安西先輩は二カッと笑いながら言う。


そしてムスッとした顔のままの夏輝先輩の頭をポンポンと叩いた。