左手で眉間をさわっていると、夏輝先輩が顔を覗きこんできた。


「ねー…、俺、なんかした?」


「………」



眉を下げて、子犬のような顔で私を見つめる夏輝先輩。


……心臓に悪いなぁ…。



ただ見つめられただけで速くなる鼓動を感じながら、

不自然じゃないようにゆっくりと視線を夏輝先輩から逸らす。



……ほんとうに、なんなんだこの人。