(行っちゃった…)



急に寂しくなった膝を見つめていると先輩が小さく溜め息をついた。



「相変わらずなついてくれないなー、あいつ」


「……え?」



思わず顔を上げるとちょうど先輩と目が合う。

先輩はにこっと笑うと「キミにはなつくのにね」と言いながら立ち上がった。



「俺、2年の三浦夏輝。よろしく!」


「……1年の北川雪乃です」



…なんで自己紹介?



先輩は明るく笑うと手を差し出した。


……ナニコレ。



「…握手!」


「あ、はい……」