「…ゆ…きの…ちゃん……」


「…え?」


今、私呼ばれた?


突然聞こえた自分の名前に手を止めると、先輩はさっきよりもしっかりとした口調で言った。



「…雪乃、ちゃん……」


「…は、はい…?」



…なんだろう…。



変に緊張して、せっかく落ち着いたさっきの感覚がよみがえってくる。


ドキドキと、静かに鳴る私の胸。


そしてそれは次の一言で、

苦しくなるくらい、大きく鳴った。









「……好き…だよ…」