階段を上ってすぐ左手にある部屋に入ると、
薄い水色で統一されたシンプルな部屋だった。



…どこに座ればいいんだろ?



男の人の部屋に入るなんて初めてで、どうすればいいのか、少し困惑してしまう。


結局どうすることもできずにドア付近で立ったままでいると、

トントンと階段を上る音と、「ちょ、おとなしくしろ!」と先輩の声が聞こえた。



そしてすぐにドアが開くと、小さな鳴き声と共に

足元のところにトコトコとしずくちゃんが寄り添ってきた。



「…しずくちゃんっ…」



可愛らしいその姿に私のテンションはめずらしく急上昇。

ぱっとしゃがむと、その小さな体を優しく抱き上げた。