『スキ』と言えないコトに息苦しさを感じるけど…



今はこの関係に満足していた。



「奈央お前、テニスはするか?」


「いえ…私はどちらか言えばインドア派で…」


「そうか・・・」


部長は先に食べ終わって、ジッポを擦って煙草に火を点けていた。



「社内は禁煙ですよ…部長」


「1本くらい…吸わせろ…それにお前が黙ってれば…いいコトだ」



部長は悪びれる素振りを全く見せず、唇に煙草を挟み吸い始める。



「奈央…早く食え」


「…はい」