何もかもを呑み込んでしまう静寂な夜。


街のネオンの光が反射して、少し明るめの夜空にくっきりと浮かぶ三日月。


そんな空の下、どこからか鈍い重低音が響いていた。




〔ドゴッ!!バキッ!!バコッ!!・・・ドサッ!!〕


「うっ・・・」


「ぐはっ・・・」


『だから、言ったでしょ?最後にチャンスをあげるって・・・』


人通りの少ないトンネルの中・・・

1人の髪の長い、サングラスをかけた少女が腕を組み、立っている。

その足元に、ざっと10人はいるであろうと思われる男たちが倒れているという、世にも異様な光景。