『・・・で?美和仔さん、どうしたの?』


「え?!」


『だって、美和仔さんから来るなんて珍しいもの』


そうでしょ?と言わんばかりの、哀瑠の微笑み。




しばらく、黙っていた美和仔が口を開いた。


『実はね・・・哀瑠に頼みたいことがあるの」



ー愁那 美和仔ー

現在、47歳。

戸籍上は、哀瑠の母親になっている。12年前から・・・

ちなみに、哀瑠は美和仔が本当の母親じゃないことを知っている。

だから、美和仔を美和仔さんと呼ぶ。

身長は哀瑠より、やや高め。とても47歳には見えないほどの若々しさ。

2年前までは、哀瑠と一緒に住んでいた。

そして、彼女は私立清空学院男子高等学校の理事長をしている。