要するに悠斗先生は、『何事もなるようにしかならない』と。
そうおっしゃりたかったのだと、俺は思う訳だ。
ゴチャゴチャ考えても切りがない。
頭が混乱して、迷子になるだけだ。
行き先なんか不明のままで良いではないか、と。
今現在の自分の気持ちに従って、己の信じる道を突き進め、と。
悠斗先生はそうおっしゃっているのだ。
うん、そうしようと思う。
彼氏彼女とか、そういう『形』みたいなものに縛られるのが紗恵は嫌なのかも知れない。
俺も、『形』なんか窮屈なだけで特に必要ない気がしてきたし。
取り敢えず、携帯電話の番号、アドレス交換済みだから、紗恵とはいつでも連絡取れるしいつでも会える。
今はただ、この幸せな状況を喜ぼうと思う。
