きみ、ふわり。



 横たわったまま恐る恐る振り返れば、背後の紗恵は全裸のまま正座をしてブゥと膨れていた。

 気まずい空気が苦痛で逃げ出したい衝動に駆れるが、不幸なことにここは俺んちだった。
 渋々起き上がり、半裸のまま胡坐をかいて紗恵と向かい合った。


 臍を曲げてしまった紗恵にどう対応すれば良いかわかない。
 けどそれ以上の苦難が俺にはあった。


 目のやり場に困る。


 顔を見詰めれば、充分とはお世辞にも言い難いサイズの二つの控え目な膨らみが視界の端に入る。
 目を伏せれば、更に秘めたる部位が。

 顔ごと逸らす行為は、この状況下では不適切、命取り。



「紗恵、寒くない?」

 散々悩み悶えたあげくの言葉がこれ?

 笑止、俺。
 お疲れ、俺。