全ては思い通りに巧くいき、お互いにとって違う意味での『初体験』であるこの行為は無事終わる――
――はずだった。
緊張しまくり、カチコチに身体を強張らせたのは俺の方で。
紗恵の全裸を目の当たりにして、あろう事か俺は怖気づいたのである。
真っ新な身体が眩し過ぎた。
穢すような気がして怖かった。
綺麗ごとじゃない。
偽善者ぶる気もない。
もっと一杯愛してから、と思った。
肉体的にではなく、心の底から深く……
ポサリ――
紗恵の顔の横、シーツの上に俺の顔は落ちた。
美しい身体の上に覆いかぶさったままで脱力した脱落者の俺。



