きみ、ふわり。



 紗恵は――


 処女だ。



 この事実は俺の欲望を一気に萎えさせた。

 遊びで抱くのに、処女は有り得ない。
 罪悪感がハンパない。

 それに、
 処女なんか抱いたことないし、俺。
 どう扱っていいかわからない。


 俺にとっても『初体験』だと思えばいい、とか。
 せっかく手にした幸運を手放すのがどうしても惜しくて、楽観的に考えてみようと試みる。

 けれど……

 すっごく痛いんだよな。
 血が出るって聞いたことあるし。
 何より気持ちよくないんだろ?

 などなど、そんな前評判ばかりが俺の脳裏に次々と浮かんで来て、どうにもこうにも、決行する気にはなれなかった。