きみ、ふわり。



「みっちゃん、始業式出なくていいの?」

 痺れを切らして口を挟めば、「出られる訳ないでしょ!」と厳しい口調で言い放つ。

 まずいぞ、これ。
 別の場所に移動することすら不可能になってしまった。


「あ、先生、行ってください。
 少し休めばすぐ良くなると思います。
 本当に大丈夫ですから」

 紗恵がそう言うと、

「でももし何かあったらどうするの?」

 と、優しく言い聞かせるようにみっちゃんは返した。


 俺と紗恵とで、何故こうも対応が違うのか。
 みっちゃんは俺を毛嫌いし過ぎではないのか。

 養護教諭たるもの、全ての生徒に対して平等であるべきだ。
 こんなの、業務怠慢だ。