きみ、ふわり。



 最終ページにようやく、俺以外の名前が沢山出て来た。

 酷く乱れた文字だった。
 まるでそれは……
 命の終わりを暗示しているようで。

 紗恵がどんな想いでこれを書いていたのかと、想像しただけで胸がギュッと締め付けられた。


 知らない名前は多分友達だろう。
 見覚えのある教師の名前もあった。

 そして、栗重の名も。

『みなみ先輩
 みなみ先輩のおかげで、鏑木先輩に出会えました。
 本当に感謝しています。
 最高の幸せをありがとう。
 お元気で。』


 最後の一文はやっぱり俺宛て。

『鏑木先輩、ありがとう。
 先輩の居るこの場所に、この時代に生まれてこれて良かった。
 大好き!』