きみ、ふわり。



 そのまま保健室へ直行した。

 勢い任せに空き教室で、ってのもしょっちゅうだったけど、俺は個人的にベッドの上でってのが一番好きだった。


 保健室の扉を開けると、窓際の机に向かって腰掛けていた養護教諭の光代先生が、物音に反応してクルリと振り返る。

 が、俺を見るなりその顔を露骨に顰めた。


「鏑木くん、何度言ったらわかるの?
 ここは休憩室じゃないのよ?」

「みっちゃん、何でそうやって決めつけんの?
 本当に体調悪いかもしんねぇじゃん?」

 涼しげにそう返したものの、『みっちゃん、始業式出ねぇのかよ?』と、思惑通りにいかなさそうな現状に苛立った。