きみ、ふわり。



 俺、思うんだけど。
 お前らの密談は、常にだだ漏れなんだよ。

 それって『密談』じゃないし、『談』だし『談』。
 まぁいいか、別に。


 栗重が、『丁重な扱い』を俺に要求するとか、どう考えても可笑しい。

 けど――
 その大事な後輩を、俺なんかに抱かせるお前が一番、丁重に扱っていないのだ、という正論は、都合が悪いので伏せておく。


「わかった」

 と、適当に一言で返して、再び正面を向き直り歩き出す。


「『サエ』ってどういう字書くの?」

 などと、どうでもいい話をして余裕があるかのように装ってはみたけれど、俺の心中は早く彼女の制服の中身を見たいという欲望でパンパンだった。