「瀬那くん、たまには俺にも構ってクレヨン」
「それはこっちのセリフだクレヨン」
「『クレヨン』いらねぇ、意味わかんねぇ」
愉しげに肩を揺らして笑う悠斗を見ていると、やっぱり気持ちが和む。
もう少しだけ――
コイツと一緒に居たいと思ってしまう。
「茶ぁ付き合え」
捨てるように吐いて、さっさと教室を後にする。
「ブラジャー!」
ふざけた承諾の声が背後から返って来た。
悠斗と良く来る学校近くのファミレスはいつも、うちの学校の生徒で溢れ返っている。
制服の紺色で一面埋め尽くされていて、ちょっとうんざりする。
とは言え、俺もそんな紺色軍団の一員だ。
もちろん悠斗も。



