きみ、ふわり。



 紗恵の中はヤバかった。
 気持ち良過ぎて思考がぶっ飛びそうなぐらい。

 中に居るだけで昇天してしまいそうで動くのが怖い、でも動いてもっと紗恵を感じたい、そんな変な気持ちで混乱して意識がぼんやりする。


「先輩……苦しいですか?」

 薄く目を開けた紗恵が切なげに問いながら、人差し指で俺の眉間を優しく撫でた。

 俺は眉根に力を込めていることに気付き、ふぅーと大きく息を吐き出しながらそれを緩めた。
 と同時に顔の筋肉も緩んで、フッと笑みが漏れた。


「俺は全然。てかヤバイぐらいに気持ちい。
 苦しいのは紗恵の方じゃねぇの?
 しんどい……よな?」

 恐る恐る尋ねれば、紗恵は小さく首を振る。


「最高に幸せです」

 パッと花開くように顔を綻ばせ、本当に幸せそうに微笑んだ。