きみ、ふわり。



「だから。
 俺に抱いて欲しいって本気で思ってんの?」

 だとしたら、もちろん有難く頂くし。
 その、幼さを残した、けれど美しく整った身体は、男からしたら相当魅力的だ。

 断る理由なんか、微塵も見当たらない。


「は……い」

 『サエちゃん』は戸惑いがちに小さく頷いた。


「なんで?」

「え?」

 驚いたように勢い良く顔を上げる『サエちゃん』。

 真ん丸に見開かれた目の中の、澄んだ二つの瞳に俺だけが映っていて。
 何だか無性にこそばゆい。


 けど――
 ああもう、一々面倒臭い。

「だから。
 なんで俺に抱かれたいの?」

 苛立ちを隠しきれない声音でもう一度問う。