唇も少し薄めの唇だが、彼にとても似合っている。




こんなに無防備に寝てたら、騒がれるのも分かる気がした。




「………ん」




直人の少し色っぽい声が聞こえ、目が覚めたようだ。私は慌てて視線を逸らし、前の黒板の方を見た。





教卓の前では担任がホームルームをしていた。




「………百合子、帰ってきたんだな」




直人が顔を上げながらそう言った。私はその様子を横目で見ていた。