君が好きにならなくても




「………直人か。うん。佐倉百合子。1年間よろしくね」

「おお。よろしく」




直人の声はすごく透き通っていて、低くもなければ高くもない聞き取りやすい声。



直人とは仲良くやっていけそうな気がした。



そのあとすぐ担任が来て、体育館へ移動となった。



直人はクラスの男子と話しながら私の少し前を歩いている。




「小嶋くんが一緒のクラスとか、超やばくない?」

「だよね~。これで早瀬くんも一緒だったら……2人が一緒にいる姿見られたのにねぇ」

「だからよねぇ~。てか、早瀬くんって何組なの?」

「確かね……Aって聞いたけど」

「Aかぁ~。まぁいいか。小嶋くんだけでも同じクラスになれたんだし」

「そうだねぇ~」