彼の背中を見送りながら、きちんと返事を聞かなきゃ。と気合いを入れるために背筋をピンッと伸ばした時、
「あずさ」
ふと背後から声がして振り返った。
懐かしいその声に
“あずさ”と呼ぶ彼の声に、どうしようもなく泣きそうになるのはなんでだろう。
何か話さなきゃと思うけれど、何をどう話していいか分からず、ただ目の前の彼を見ることしか出来なくて、言葉を発したら、もう彼と本当に終わってしまうような気がして怖くなった。
そんな緊張が彼にも伝わったのか、ふぅ〜と大きく深呼吸をすると、
「行くか、花火!」
そう言ってニカッとお日さまのように笑った彼につられるように、緊張が溶けて自然と笑っていた。
「うんっ!」
気付けば元気よく返事をしている自分がいた。


