ファンファーレに想いを乗せて



暫く歩いて着いた場所は、私たちの通う高校だった。


開けっ放しの裏門を抜け、グラウンドへと入ってきたら、くるりとこっちに振り向いた彼は

「俺さ、諦め悪いみたい」

そう言って、ふわりと笑った。



「え?」

何のことか分からなくて首を傾げると、


「俺と付き合わない?」

シンプルな言葉が耳に飛び込んできて、彼が真っ直ぐにこっちを見ているから、冗談じゃないって分かった。