「教室に入るのをためらってそれを誰かに気付かれて『大丈夫』って言われるのってどういうことなのかなって考えてた」
「相変わらず、表現力と説明力・具体例の表現の仕方がなってないな。だが、お前のいったことは俺たちは理解した」
昌太に毒舌で酷いことを言われている俺は事実だから文句が言えない。
「率直に言うのが一番いいですよー、陽君。ていうか、陽君にはそれが似合ってますから」
「そうよねえ。陽は単純なのが一番よ」
「だな」
褒められてるか貶されてるのかどっちか分らないが泣きたくなってくるのは何故なのか。
「つまりだ。お前は隣のクラスのやつに出会って、その子が教室を入るのにためらってるから、心配で心配で声をかけたところ。相手に笑顔で『大丈夫だから教室に戻って?』とか何とか言われ、背中を押され渋々教室に戻った、と。それでお前はその子のことが気になるというわけだな」
スラスラと俺が言ってたことを通訳する昌太だ。
しかも、言ってないことまで言ってたような気がする。
(ほぼ当たってるが俺は隣のクラスの子って言ったか?ま、ともかく流石昌太だ)
「いや、気にしてるとかそんなんじゃなくて。・・・いや、ま、気にはなるんだけど・・・」
「どっちなんだよー」
尚弥に突っ込まれる。
「そんなじゃなくて・・・どういえばいいのか・・・」
「気になるなら気になるって素直に言えばいいんじゃないですかー」
「あ、そうか。気になる!」
お~と尚弥たちは興味深々に耳を立てる。


