絶対におかしかった星名の様子が…。
これは何かあるのではないのかと思ったが星名に無理やり背中を押され渋々教室の中に入った。
そして、苦渋の顔で悩んで今に至る。
「どうしたんだよ、陽。そんな難しそうな顔をして」
「ん、尚弥か。いつの間にいたんだよ」
「さっきからいたよ!俺存在感ないのか??」
「わりー、ダニくらいに見えなかった」
「ひでーよ。昌太、俺を慰めて?」
昌太に泣きすがりつく尚弥。
「悪い。俺に泣きすがりついていいのは女性だけなんだ。男に泣きつかれるのは、ちょっとな…、後、尚弥キモい」
さらりと笑顔で酷いことを言う昌太はなんだか陟さんに微妙に似ている。
親子なのか!?と思うくらいだが陟さんは独身だ。
「なんか、今さらりと俺酷いこと言われたような…」
「というわけで、慰めてもらうんなら知砂に慰めてもらえ!」
知砂に尚弥が行き渡る。
「え?いやよ…慰めるんだったら…」
知砂は頬を赤らめ、俺に視線を向ける。
その視線に俺は気付く。
「ん?どうしたんだ?知砂」
「な、何でもない!!とにかく、あたしも嫌だから了パス!」
尚弥のたらいまわしで行き着いたのが了だ。
「俺も嫌ですよー。あ、でもいいですよー」
「どっちなんだよ!」
何か企みを含んだ笑顔をする了は尚弥を引き受けることに承諾する。
(うわ…尚弥ご愁傷さま…)
尚弥は野生の防衛本能を察したのか、後ずさりした。
「あ、いや、やっぱいいです」
「どうしてですかー?」


