さあ、俺と秘密をはじめよう



教科書やノートがやられたくらいではどうってことない。

お財布と家の鍵、携帯とか貴重品は常に持ち歩いてるから問題はないが・・・バックがなくなってる。


バックは?と尋ねても誰も答えない。

あたりを見回す私はゴミ箱に目をつけ覗いてみた。

見事に的中した。


ため息をつきたくなるが堪える。

(本当・・・幼稚)

ゴミ箱の中からバックを取り出し、ついたほこりやごみクズを払う。


そして、先生がくるまで森さんたちの相手をした。

これを後何回繰り返せばなくなるのだろうか。

毎度ワンパターンすぎて、飽きてしまう。

芸がないのか。

だが、ない方がこっちとしては気が楽だし幸いだ。


4限目までこれが続くのはいつものことだから我慢する。

今日は楽しい昼が待ってるのだからそれくらい我慢できるが待ち遠しい。

心を躍らせながら私は森さんたちの暴言に耐えた。


頭の中では新曲が流れていた。早く黒崎君に会えるのを楽しみにして――。