さあ、俺と秘密をはじめよう



鏡の自分を見て、ニヤけている。

(だって、嬉しいもん)

今とても幸せです!

何でかって?

私、人生初!お友達ができました。

相手は…相手は…

名まえを聞いてなかったことに気がついた。

私としたことが不覚だった。

名まえを聞かずに去るなんて…。

嬉しい気分が一気に下がっていった。

(次、あった時名まえ訊こう)



制服に着替え、私は台所に向かい、歌を歌いながらお弁当と朝食を作った。


「いただきます」

誰もいない広いリビングの中。1人で食事をする。

いつものことだと思い、ご飯を口に運ぶ。


(美味しくないや…)

食事は生きるためだけに摂取している私にとってまずいとか美味しいとか関係なかった。

栄養が取れればそれだけで十分だ。

(とは…思っても、味はある程度感じるし大切なのよね…)

矛盾する私の心。



食事をし終え、食器洗いを終えてから私は鏡に向かい、

腰よりも下にある長い髪を三つ網にして、黒のカラーコンタクトをし

分厚いレンズの黒縁のダテ眼鏡をかける。

もう一度鏡をみてチェックする。

「うん。いつも通り!」

私は目立つわけにはいかない。というよりも目立つことは本来好きじゃない。

地味にしてればいい。その方が私が星だとバレない可能性が高いからである。

今日も一日頑張って行けるはず!今朝はいいことがあったのだから。