さあ、俺と秘密をはじめよう




「樹希、おはよう」

「にちゃ。はよ」

「樹希、兄ちゃん急いでシャワー浴びるからその間に自分で着替えれるなら着替えとけよ」


そう樹希に言い残して、急いでシャワーを浴び汗を流して、制服に着替えた。



「あー、樹希ボタンかけ間違えてる」

「ごめなちゃい…」

しゅんとなる樹希に俺は謝んなくていいよと微笑み頭を撫でた。


樹希のボタンを直してやり、学校に行く支度をした。

樹希をベビーチェアーに座らせ、俺は朝食の準備とお弁当を作った。


昨日のあまりのおかずと夕方に下ごしらえをした食材を冷蔵庫から取り出した。


サクサクとそれらを余すことなく調理する俺はよく手慣れたもんだなーとしみじみ思う。

3年前までは料理どころか刃物ですらまともに扱えず、役立たずだった。

それから【CROW】で料理を覚えて…覚えさせられていくうちにだんだんと上達していった。



郷に入っては郷に従えじゃないけど、慣れってものは恐ろしいものだ。



出来た料理をお弁当箱につめ、たくさん余ったものは朝食にする。


弁当包みに弁当を入れ完了!

「さて、樹希朝食ができたよ。食べようか」

手を合わせて
「いたらきまちゅ」
「いただきます」


樹希はフォークを持ってご飯を食べた。

「おいしいか?」

「おいちー」

そうかそうかと俺は嬉しい気持ちになる。

母さんもこんな気持ちだったのだろうか。作ったご飯をおいしいって言って食べてくれるのって…。

(なんだかいいな…)