そんなことを思い出し、
今はただ樹希のためだけに俺は頑張っている。
(朝食は何しようか…あいつは好きとか嫌いとか言わないもんな―――)
んーと朝食の事で悩んでいると俺は前を見なかったせいか女の子とぶつかってしまった。
(うわぁーー)
とっさのことだったためか、俺は女の子の手を掴んで前に引っ張って腕の中に抱いてしまった状態だ。
「大丈夫ですか?」
俺は女の子の状態を確認する。
何やってんだ、俺と自己嫌悪する。
「はい。大丈夫…です。それよりも…顔近い…です」
「え?うわぁ―――」
気づけば唇と唇がぶつかりそうなくらい距離が近かった。
俺はあわてて、距離をとった。
(うわぁ…俺、何時の間に!?ってか、危なっー咄嗟とはいえ)
とりあえず、謝っておくべきだな。
「ご、ごめん」
「い、いいえこちらこそごめんなさい」
しばらく、沈黙が続き、お互い目を合わさず俯く。


