「大丈夫ですか?」
引き上げられた目の前には綺麗な男の人がいて―――
顔が唇と唇が重なるくらいの距離の近さだ。
(うわぁ…綺麗な人…たぶん、きっと天使ってこんな感じじゃないのかな…)
なんて表現力のない私なんだろうかと思わずおもってしまった。
「はい。大丈夫…です。それよりも…顔近い…です」
「え?うわぁ―――」
この綺麗な男の人は慌てて、距離を少しとる。
「ご、ごめん」
「い、いいえこちらこそごめんなさい」
お互い目を合わさず俯く。
(こ、これは・・・どこのお見合いなんなんですか――・・・)
「助けて?いただきありがとうございます」
「いや、こちらこそごめん。ちょっと考え事をしていて」


